地味だけどほっとするファンタジーーオドの魔法学校

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オドの魔法学校

  • パトリシア A.マキリップ、原島 文世
  • 東京創元社
  • 1050円

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書評/SF&ファンタジー

本が好き!に登録する前に、書評などを見て関心を持ち、図書館で予約していた本です。

評価は:★★★★。

たくさんの人が書評で書いてある通り、とても面白かったです。
読後感がとてもさわやかです。
地味目な話に、暗い主人公、人が陥りやすい暗い部分、など、
そこそこ重い話が続くのですが、
魅力的な脇役たちが、踊るように華やかに演出してくれます。
星4つの評価は、翻訳のせいももしかしたらあるのかもしれませんが、
少しわかりずらいところがある、というのが理由です。

いろいろな人の評価を見ていると、作家さん自体にくせがあるようなことも書いてあるので、作者の問題かなぁとも思います。
もしかしたらそれも魅力なのかもしれません。

この作家さんですが、相当なファンタジーの巨匠のようです。
私は他の作品を読んだことがないので、
早速、他の作品も読もうと図書館で予約をしてみました。

田舎の孤独な青年の話からはじまる。その孤独な青年の元に、動物を連れた奇妙な巨人の女性がやってきて、魔法学校の庭師になって欲しいという。その奇妙な巨人がタイトルにもなっている「オド」そのひとである。元々、自然に囲まれていた孤独な青年は、植物を育てるのがうまかった。そのため、都に出る決意をし、庭師生活がはじまるのだが……彼には秘められた魔法使いの力があったのだ。しかし都の王たちは、規制された魔法と魔法使いのみを許し、魔法に神経をとがらせていた……。

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私は本を読むときに、気になったフレーズやあとで書評でふれようと思ったところに付せんをつけて読むのですが、久々に、まったく付せんがつきませんでした。

ある文章一文が良い!というよりも、伝えたいことをうまくストーリーに盛り込んでいる、そんな印象の話です。うまいなぁというところでしょうか。

私の2009年のテーマは「型を破る」ということなのですが、まさにこの本からもそういうことを教えてもらいました。

いつの時代にも、もちろん今の時代にも起こりうる、人が陥りやすい状況の教訓となっているように感じます。

  • 「特になんでもないようなことでも、思いこみで恐れや不安を感じ、知らないことなら何でも驚異に感じ、制限してしまう」。
  • そして、「そういう状況にもかかわらず、正しいと洗脳され、自分を失い、誰か別の人間の考え方で物事を考えるようになってしまう」
  • 「相手もコントロールしようとして、相手を理解しようと相手の気持ちになったり、相手の心や声に耳をかたむけるのではなく、相手に言葉をなげつけ、強引とも無視するともいえる方法をとる」。

そんなことが、日常にはよくあるんじゃあないでしょうか。

ファンタジーの世界観の中に、私たちの現代の日常が、主人公と主人公の周りにいるキャラクターたちの、それぞれのストーリーを通して見えてくる。

その描き方が上手なので、さわやかなイメージになるのではないでしょうか。